M&Aにおける表明保証について
2024/03/23
M&Aにおける表明保証について
M&Aにおける最終契約書について、表明保証は重要な条項の一つです。
買収対象企業の現状や将来性に関するリスクを適切に分配するために、買い手側と売り手側の双方が表明保証の内容を慎重に検討し、合意に至ることが重要です。
表明保証とは
表明保証とは、M&Aにおける契約当事者である売り手側と買い手側が、契約締結時点における対象企業に関する情報や状況について、
それぞれ相手方に対して真実であることを表明し、保証することを指します。具体的には、以下のような内容が表明保証の対象となります。
- 対象企業の財務状況
- 訴訟・仲裁等の法的紛争
- 許認可
- 従業員
- 税務
- 環境問題
- 知的財産
表明保証は、以下の3つの重要な機能を果たします。
1. 情報開示の促進
表明保証を行うことで、売り手側は対象企業に関する詳細な情報を買い手に開示する必要があります。これは、買い手側が対象企業の価値を正確に評価し、リスクを把握するために必要な情報となります。
2. リスクの分担
表明保証に違反があった場合、売り手側は買い手側に損害賠償責任を負うことになります。これにより、買い手側は購入後に予想外の損失を被るリスクを軽減することができます。
3. 契約解除権の根拠
表明保証に重大な違反があった場合、買い手は契約を解除できる権利を持つ場合があります。これは、買い手側が重大なリスクを負うことなく、契約から撤退することを可能にするものです。
表明保証の内容
表明保証の内容は、M&Aの形態や対象企業の状況によって異なります。一般的には、以下のような項目が表明保証の対象となります。
1. 財務状況
- 過去数年間の財務諸表の正確性
- 粉飾決算等の不正行為の不存在
- 重要な債務や負債の不存在
- 将来の業績見通しの妥当性
2. 法的紛争
- 訴訟・仲裁等の法的紛争の不存在
- 行政処分等の行政上の措置の不存在
- 環境規制等の法令遵守状況
3. 許認可
- 事業運営に必要な許認可の取得状況
- 許認可の有効性
4. 従業員
- 従業員数の正確性
- 労働組合等の存在
- 労働関係訴訟等の不存在
5. 税務
- 過去数年間の税務申告書の正確性
- 未納税金等の不存在
- 税務調査等の状況
6. 環境問題
- 土壌汚染等の環境問題の不存在
- 環境規制等の法令遵守状況
7. 知的財産
- 特許権等の知的財産の権利の存続性
- 第三者からの権利侵害の不存在
表明保証の重要性
表明保証は、M&Aにおけるリスクを適切に分配し、円滑な取引を実現するために不可欠なものです。特に、以下の点において表明保証は重要です。
1. 買主にとって
- 購入後のトラブルを防止する
- 損害賠償請求の根拠とする
- 契約解除権の根拠とする
2. 売主にとって
- 買い手側との交渉を有利に進める
- M&A後の訴訟リスクを減らす
表明保証に関する注意点
表明保証は、M&Aにおける重要な条項である一方で、以下のような点に注意する必要があります。
- 表明保証の内容は、デューデリジェンスの結果に基づいて慎重に検討する必要があります。
- 表明保証違反があった場合、損害賠償請求を行うためには、厳格な立証責任を負うことになります。
- 表明保証は、契約締結時点における状況のみを保証するものであり、将来発生するリスクを完全に排除することはできません。
まとめ
M&Aにおける表明保証は、買い手側と売り手側双方のリスクを適切に分配し、円滑な取引を実現するために重要な役割を果たします。
表明保証の内容を慎重に検討し、合意に至ることが、M&Aの成功にとって不可欠です。
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